弁護士

弁護士と関わる職業 法務人材・パラリーガル・検事・裁判官

弁護士と協力しながら働く人たち

弁護士が行う業務はかなり複雑で範囲が広いので、一人ですべての作業を行うことは難しいものです。そのため、弁護士をサポートする職業の人たちが周りにいて、協力しながらチームとして働くことが多くなります。特に規模の大きな事案を扱う企業内弁護士(インハウスローヤー)の場合はその傾向が強く、常に複数の人たちのサポートを受けながら案件を進めていきます。

まず弁護士に一番近い存在としてパラリーガルがいます。この職業は、いわば弁護士の直属サポートとも言える働きをします。まず、スケジュール管理や書類作成、必要になる公的書類の取り寄せなど、秘書のような役割をするケースがあります。また、もう少し法律的な専門性が高い仕事する人もいて、資料や裁判記録のチェック、訴状の作成、登記の確認や申請に関する手続きを実際に行ったりします。弁護士の仕事が効率よく進むかというのは、パラリーガルの仕事次第ということも多いので重要な働きをします。

さらに、社内の法務部門にいる法務人材も弁護士と協力しながら働くことが多くなります。企業が作成する書類、たとえば新商品の説明書などの法律的チェックを行うなどの業務を行います。また、案件に関する情報や資料を集めてまとめるなど、弁護士が必要とするものを集める作業もあります。さらには、企業の顧客とのやり取りをするなどして、対外的な法務業務を実施するのも大事な役割となります。

弁護士の相手となる職業

上記の職業は、弁護士をサポートする人たちですが、それとは別に弁護士が相手をしないといけない人たちもいます。刑事裁判を扱う弁護士であれば、検事はその代表的な存在です。事件の被疑者の罪状を確定するために様々な証拠を集め、求刑してきますので、それに対抗するために弁護士も相対する証拠を見つけて提示したり、相手の証拠を突き崩したりすることになります。言ってみれば、検事は弁護士の敵となる存在なのです。

民事にしても刑事にしても、裁判の結論を出すのは裁判所です。そのため、弁護士は裁判官に納得してもらえる証拠と論議を提出しなければなりません。当然、裁判官との関係というのも弁護士にとっては非常に大事なものがあります。もちろん、何らかの癒着があってはならないので、裁判所を離れての関係があるということはほぼありません。しかし、証拠の確認作業などで一緒になる機会も多いので、弁護士との関係性が深い人たちとなります。

弁護士の現状と将来性を徹底考察!高収入?事務所勤めか企業勤めか

弁護士の数が多く競争が激しくなっている日本

弁護士というと、高収入で仕事の面で成功しているイメージを持っている人も多いですが、現状は意外と大変な弁護士も多いのです。というのも、現在日本ではかなりの数の弁護士が存在していて、ニーズに比べて飽和状態にあるからです。弁護士が関わる法律案件はある程度増えてはいるものの、それ以上の勢いで弁護士の数が増えていますので、どうしても需給バランスが悪くなっているのです。

というのも、弁護士には定年というものがなく、資格を持ち続けている限りずっと働けるという事情があるからです。また、定期的な更新制度というものも存在せず、基本的に罪を犯すなどの重大なことがない限り、弁護士として居続けることができます。そのため、どうしてもどんどんと弁護士が増えていくことになります。

この傾向は都市部で顕著に見られ、案件の奪い合いとなっているのが現状です。さらに、弁護士になりたての人、転職を考えている人も、弁護士事務所に入るのが難しくなっていて就職難が見られるというのもこの業界に見られる事情です。その分、給料などの待遇が低くなっているのも問題で、特殊で専門性の高い職業であるにも関わらず、一般サラリーマンと同じ程度の年収しか稼げない弁護士が多く出ています。

地方部では都市部ほどの就職難は見られません。しかし、そもそも案件依頼の絶対数が少ないことや、企業相手の法律業務が多くないということで、仕事の幅が限られてしまうことになります。いろいろな分野での経験を積みたいという弁護士にとっては物足りない状況とも言えるでしょう。

弁護士の将来性は?

このような状況、つまり弁護士が多くて仕事が少ないという状況はこれからも続くことになります。政府としても司法試験の難度を上げる、もしくは合格者の数を制限するなどの方法を採って弁護士数を減らそうとしています。しかし、すぐにこうした効果が表れるわけではないので、難しい状況は継続されることになります。

そのため、弁護士が関われる新しい分野に入り込んでいくことが成功の分かれ道となります。企業や個人が法律上のアドバイスや助けを必要とすることには変わりがありませんので、いかにして弁護士の必要性を理解してもらってサービスを提供するかが重要になってきます。また、海外進出している企業も普通になっていますので、国内事案だけでなくグローバルに法律業務を扱っていくスキル、言語能力を身につけて活用するというのも、弁護士の将来性を左右するものとなるでしょう。

弁護士の1日は法律相談と依頼者からの受任案件から 裁判所での弁護も

比較的自由に時間を差配できる

個人で事務所を持っている弁護士にしても、事務所に所属していわゆる雇われている形の弁護士にしても、ある程度自由に自分の時間の使い方を決められます。というのも、弁護士は高度な専門職ですので、それぞれの自主性が重んじられていて、それぞれの判断でどのように仕事をするかを決められる習慣があるからです。どんな受任案件があるかということを見ながら、自分である程度スケジュールを決めていくことができるのです。

たいていの事務所では、朝の9時過ぎくらいから業務がスタートします。どんな案件をメインとしているかによって、どのように仕事をしていくかは異なりますが、顧客や関係者と会って話し合いをすることが多く、人との関わりが大変を占めるという仕事となります。

相談業務が多い

弁護士の日中のメインの仕事として挙げられるのが法律相談です。一般の個人を対象とするにせよ、企業を顧客としているにせよ、なんらかの法律上の問題が生じた時に、法律のプロという立場からアドバイスを与えることになります。どんな法律が関係するのか、どんな行動を取るべきかなどを話し合っていくことになります。この相談業務は、だいたい30分から1時間単位で行われることが多く、時間によって報酬が発生することになります。

この相談業務から、具体的な案件の依頼につながることがあります。たとえば、交通事故に遭った人から保険金の交渉を行ってほしい、賠償責任を問うための裁判を起こしてほしいという依頼があれば、それに応じて様々な行動を取ることになります。

裁判所に行って裁判をすることも

弁護士の仕事として重要なのが、実際に裁判所で依頼者の弁護をするというものです。特に刑事事件をメインとして扱っている弁護士事務所にいるのであれば、朝10時から夕方5時までの間、裁判所で過ごすことが多くなります。また、どのようなケースにせよ、証拠を確かめたり関係者の話を聞いたりするために、現場に行ったり関係者の家や仕事先を訪れたりすることも多くなります。関係者に会う場合は、日中時間が取れないこともありますので、夕方から夜の時間にかけて訪問することもあります。

そして、出てきた調査結果や資料などを確認して裁判に備えるため、夜の時間仕事をすることになります。裁判が近づいてくると、かなり夜遅くまで準備作業に追われることもあり、毎日忙しい日々を送ることになります。

弁護士になるために受ける司法試験と予備試験とは?法科大学院や予備校に行く理由は?司法修習の目的をチェック

受験資格を得ることからスタート

弁護士として活動するためには、最低限の条件として弁護士資格を取ることが求められます。試験に合格して初めて資格が得られるのですが、この司法試験にも受験資格があります。まず、法科大学院(ロースクール)を修了しているという人が一つの受験資格となります。このロースクールは、大学院に設けられている法律職になる人専門の高度教育機関ですが、ここに入るのもかなり難しいのが現実です。それぞれの大学院が実施している試験にパスしないといけません。そもそも、ロースクール試験を受けるためには大学卒が条件となっています。そして、大学で法学を修めた人は2年間のロースクール、法学以外の学部を卒業した人は3年間のロースクールに通うことになります。

もう一つの司法試験を受ける条件は、予備試験と呼ばれるものに合格することです。これは、ロースクールを修了したという学歴を持っていない人のためで、試験を受けるだけの能力があるかということを見るためのものです。予備試験に合格すれば、ロースクール修了者でなくても弁護士資格試験に挑戦できることになります。

どちらの道にしても、弁護士資格を得るための試験は簡単ではなく、毎年かなりの難度となっています。合格率はかなり低く、資格試験の中でも最難関のものとなっています。そのため、独学で勉強をする人もいますが、多くが予備校に通って試験対策をすることになります。

養成課程に進み法律職としての知見を養う

弁護士資格を試験合格後に取ることができたら、すぐに弁護士として働けるというわけではありません。司法修習という、いわば法律職の体験、養成機関を経ないといけないのです。この修習期間中は、弁護士が活躍する法律事務所や検察局、裁判所などに通って、実際の業務を体験することになります。こうして、現場での働き方や法律職としての心構えを学ぶことになります。さらに、検察官、裁判官、弁護士という選択肢の中から自分が進む道を選ぶことができるようになります。

こうして修習期間が終了すると、いよいよ就職活動を始めることになります。弁護士としての道を選んだのであれば、たいていは弁護士事務所に入りますので、自分の望む法律分野をメインに扱っている事務所を探して就活をします。入る事務所によってどんな事案を扱うか、どのくらいの規模の弁護を行うかが違うので、弁護士としての活動が変わってくることになります。

弁護士への道 法科大学院から司法試験と予備試験を受けるという方法

弁護士の資格を取る

弁護士とは、まず弁護士の資格を取ることが求められます。もし資格を持たずに、弁護士に任されている仕事を行うと法律違反となり罰則が科せられます。これを独占業務と言い、資格保持者だけができる職業なのです。

弁護士の資格を取るためにはいくつかの方法があります。基本的に必要となるのが司法試験に合格することです。といっても、誰でも司法試験を受けることができるわけではなく、受験資格を満たす必要があります。通常は大学の法学部などに行った後、法科大学院(ロースクール)と呼ばれるより高い法律に関する教育を受ける必要があります。学歴が司法試験を受けるための一つの条件となります。もう一つの道は、司法試験の予備試験に合格することです。これは、ロースクールに通ったのと同じくらいの知識や能力を持っているということを証明するための試験で、パスすることができればロースクール修了という学歴がなくても良いということになります。

弁護士が活躍する場はかなり広い

こうして弁護士資格を持つと、正式に弁護士として仕事を始めることができます。しかし、試験に合格した人がすべて弁護士として働くわけではありません。というのも、試験合格者には主に三つの道が開かれているからです。その三つの道とは、裁判官になること、検事として働くこと、そして弁護士になることです。司法の三つの異なる分野の中から、弁護士として働くのを選ぶことで法律事務所などに就職することになるわけです。

その弁護士の中でも異なる働き方があります。何人もの弁護士などの法律職が在籍する法律事務所に就職して、いわゆる雇われ人として働くというケースがあります。また、自分一人で事務所を開設して仕事を請け負うこともあります。さらに、企業に雇われて、もっぱらその企業に関係する事案を扱う企業内弁護士(インハウスローヤー)として活躍する人もいます。さらに、政府機関や自治体に所属して、公的な仕事をメインに扱う弁護士もいます。

さらに、それぞれの弁護士で扱う専門分野があるということにも注目できます。たとえば、刑事裁判の弁護をすることをメインとしている人もいれば、民事係争を得意とする人もいます。一般の個人を主に顧客とする事務所もあれば、企業を顧客としてもっぱら対応するところもあります。このように、一口に弁護士と言ってもそれぞれの働き方や所属先によって、かなりの違いがあるのです。